サイト内コンテンツ:同人活動 読み物 メール

モンハンプレイ日記移動しました。リンク集より飛べます。

2008年01月11日

ボツSS『クルクルまわる』

新刊『キラキラまわる』読了後、可×瞳のSSを書こうと思ったものの、途中で断念したSS『クルクルまわる』を晒しちゃうのコーナー!

いえー! 自虐的ー!

内容は続きを読むに。ネタバレ注意。
まぁ、ネタバレってとこまで進んでないですけど。
むしろ冒頭の1段部分を書いたところで止まっちゃいましたけどー。

可×瞳の話は書きたいんですけどね(新刊を読んで)。
いつか、この続きを書きたいです。




クルクルまわる(1−瞳子)


 ベッドに腰を下ろして、瞳子は電話の子機を握り締めた。
「……さて、どうしたものかしら」
 眉根を寄せて、手の中の子機を睨み付ける。
 時刻はもう九時半。そろそろ電話をかけるのにも、相手の迷惑が気になり始める時間帯だ。相手が携帯電話でも持っていれば、全然問題ないのだが、携帯電話を持ったという話は聞いたことがないし、仮に持っていたとしても瞳子は番号を知らない。知りたいと思ったこともないのだけど。
 親指で通話のボタンを押すと、ピッと音がしてボタンにランプが点る。ツー、と受話器から聞こえてくる音が、なんだか「かけないの?」と瞳子を急かしているようで、むっと口を結んで切断ボタンを押した。
 そこではぁ、とため息を一つ。これで何度目のため息なのか、七回目くらいで数えるのを止めたので分からない。
「……どうしてあんなことを言ってしまったのかしら?」
 かくん、と頭を垂れて呟く。あんなこと、と言うのは他でもない。お別れ会の帰り道、電話ボックスの前。可南子さんに祐巳さまが電話をした後のセリフだ。
『帰ったら、私が自宅から電話してみます』
 あの時は自然とそんなセリフが出た。誰が電話しようか、という祐巳さまの無言の問いを感じた瞬間に、意識する間もなく出てきた言葉だ。
 理由なんて探す必要もなかった。当たり前のように出てきた言葉なのだけど、自宅に戻っていざ電話の子機を手にしたところで、気がついてしまったのだ。
 本来、瞳子にはそんなセリフが自然と出てくる理由がないことに。
 これが乃梨子や美幸さん、敦子さんが相手なら分かるのだ。親友だし、何度も電話で話をしている間柄だから、瞳子が電話をするのが自然の成り行きで無理がない。
 ところが、可南子さんはどうだろう。確かに一時期よりは反発を感じなくなった相手だけれど、決して親友ではないと言い切れる。そもそも友達かどうかも怪しいところだ。天敵から普通のクラスメートにランクアップした段階。ただそれだけの相手のハズなのに。
 それなのに、自然と。瞳子は可南子さんへの連絡役に立候補していたのだ。
 後付の理由ならいくらでも見付けられる。まず、祐巳さまが電話するのは論外。祐巳さまが可南子さんと自宅で楽しげに明日のことを相談すると思うといても立ってもいられない。瞳子でさえ、祐巳さまと電話でお話したこともないのに、先に可南子さんがそれをするのはさすがに我慢ならない。公衆電話でみんなのいる前で、というならともかく、自宅でこっそり、というのは許容範囲を越えている。だから却下だ。
 そうなると他の候補は乃梨子くらいだが……乃梨子としては志摩子さまと一緒に行動したいところだろう。乃梨子が誘っておいて「でも私は志摩子さんと二人きりで回るから勝手にどうぞ」と言うのはさすがに非常識だ。乃梨子はそんなことは言わないだろうけど……でも、志摩子さまが絡んだ場合、安心出来ないから不思議だ。乃梨子の名誉のためにも、やっぱり却下。
 そうなると、確かに瞳子が誘うのが自然なのだ。あの時、そんな理由を瞬時に導き出しておいて、その上での「私が」であるならば、瞳子だって仕方ないですわと悪態を吐きながら、すんなり可南子さんに電話をしていたに違いない。
 でも、違うのだ。可南子さんに瞳子が連絡をしようと思ったのは、そんな理由があったわけじゃない。もっと自然と、それこそ祐巳さまに電話する用事が出来た時に瞳子が名乗り出るくらいに自然と、口をついて出てきたのだ。
 それに気付いてしまったから、瞳子は子機を前に逡巡してしまう。どうやって話を持っていこう、どうやって誘おうと、無意味なことを考えてしまう。
「……明日、一緒に遊園地に行きません?」
 声に出して言ってみると、頬が熱くなるのが分かる。なんだ、それは。まるっきりデートの誘いではないか。可南子さんもビックリするに違いない。きっと次のセリフは「頭でも打った?」辺りだろう。
「とりあえず、明日の予定を聞いてみるとして。そこから祥子さまの提案を伝えて、最後に誘う。これがベストの話の順序よね」
 忘れないように話の順番をメモしておく。それから時計を見上げて、迷っている時間はないのだと確認し、深呼吸を一つして瞳子は子機の通話ボタンを押した。
 何度も途中まで押したため、既に暗記してしまった可南子さんの家の電話番号を押す。
 コール音が聞こえて、瞳子は心臓の音が早まるのを感じた。もうこれで、後戻りは出来ない。ここで切断ボタンを押したら、ただの悪戯電話である。
『はい、細川です』
 ガチャッと電話が繋がる音に続いて、落ち着いた声が聞こえてくる。
「夜分遅くに失礼いたします。わたくし、可南子さんのクラスメートで松平瞳子と――」
『瞳子さん?』
 瞳子のセリフの途中で、なんだ、という雰囲気に変わった声が聞こえた。
「あ、可南子さん?」
『ええ。どうかしたの?』
 ご家族の方が出たわけではないことに、瞳子は胸を撫で下ろした。
「いえ、大した用事ではないんだけど」
 ふぅ、と息を吐いて瞳子は続けた。
「明日、一緒に遊園地に行かない?」
 言ってから、だからそれだけはダメだと、メモったばかりなのを思い出した。
 可南子さん本人が電話を取ってくれたことに安堵して、迂闊にもやってはいけないことを律儀にやってのけるなんて、まるで祐巳さまのようである。
「頭でも打った?」というセリフを覚悟した瞳子に、可南子さんはちょっとだけ迷っているような、考えているような間を置いてから言った。
『……ええ、良いわね。行きましょ』
「……頭でも打った?」
 あっさりと同意した可南子さんに、瞳子は思わずそんなことを言っていた。



・・・・・ここまで!(えー!)
いえね、この後は可南子サイドなんですけどね、可南子が書けないんですよ。
もうちょっと読み込んで、可南子研究しないとダメです。これは。

いずれ、この続きが書けることを祈って、晒してみました。

posted by 柊雅史 at 00:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 二次創作
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/9338879

この記事へのトラックバック